かと思ふと、ほかの人がバカに見えて自分が引立つやうなところも在るけれども、それが織田の目的ではないので、織田の狙ひは、純一に、読者を面白がらせる、といふところにあるのである。
だから、この書き加へは、文学の本質的な理論にふれたものではなく、たゞ世俗的な面白さ、興味、読者が笑ふやうなことばかり、さういふ効果を考へてゐるのである。
理論は理論でちやんと言つてゐるのだから、その合ひの手に時々読者を笑はせたところで、それによつて理論自体が軽薄になるべきものではないのだから、ちよつと一行加筆して読者をよろこばせることができるなら、加筆して悪からう筈はない。