彼は柔和な貴公子で、芥川龍之介の甥である。
人々は彼が多くの麗人たちにとりかこまれ、いづれアヤメと思案中、さういふ多幸な憂鬱を嗅ぎだしてゐるやうだつた。
ところが御本人ときては、ある令嬢に片思ひで、夜は悶々ねむられず、カルモチンをガブのみにして、寝台からころげ落ちてゐるのである。
彼は柔和な貴公子で、芥川龍之介の甥である。
人々は彼が多くの麗人たちにとりかこまれ、いづれアヤメと思案中、さういふ多幸な憂鬱を嗅ぎだしてゐるやうだつた。
ところが御本人ときては、ある令嬢に片思ひで、夜は悶々ねむられず、カルモチンをガブのみにして、寝台からころげ落ちてゐるのである。