あげくにタヌキ屋が破算壊滅に及んでも、こつちの身には関係がなく、人生面白し面白し然し彼は外にも忙しい男だからあつちで儲けこつちで稼ぎ、御自身だつてあちこち浮気もしなければならず、まことにどうも多忙だ。
美人募集の広告が紙上に現れ、最上先生のテストがあつて及第したのが五人、女の子が二人ゐても有り余る店へ五人ならべる、女の方で擦れ違ふのが大難儀、お客のないときは五人ポカンと一列に並んで、それより外に場所がないので、そこへお客が一人で舞ひこんでくると相当の心臓でもブルブルふるへてしまふから、これぢやアいけねえな、と倉田軍師がオコウちやんといふ呆れるぐらゐ愛嬌がよくてお喋りでチャッカリしてゐる二十の娘をつれてきた。
これ又さる待合の娘で、目下軍師自ら熱心に口説いてゐる最中なので、それぢやこつちで手伝つてもらつて、どこで口説くのも同じだといふ軍師の思想だ。