それから、幾日か立って、用が出来て社へ行った。
汚い階子段を上がって、編輯局の戸を開けて這入ると、北側の窓際に寄せて据えた洋机を囲んで、四五人話しをしているものがある。
ほかの人の顔は、戸を開けるや否やすぐ分ったが、たった一人余に背中を向けて椅子に腰をおろして、鼠色の背広を着て、長い胴を椅子の背から食み出さしていたものは誰だか見当がつかなかった。
それから、幾日か立って、用が出来て社へ行った。
汚い階子段を上がって、編輯局の戸を開けて這入ると、北側の窓際に寄せて据えた洋机を囲んで、四五人話しをしているものがある。
ほかの人の顔は、戸を開けるや否やすぐ分ったが、たった一人余に背中を向けて椅子に腰をおろして、鼠色の背広を着て、長い胴を椅子の背から食み出さしていたものは誰だか見当がつかなかった。