気力も精魂も尽き果ててもう心棒がないくらゐグニャ/\した様子である。
そのくせ部屋いつぱい、はりさけるやうに満ちてゐるのが、殺気なのだ。
だらしなく向ひ合つてゐる膝をくづした両棋士、必死のものを電流の如く放射する、それは二人の人間のからだからでも精神気魂からでもなく、私にはそれがもうたゞ宿命、のがれがたい宿命、それが凝つて籠つてゐるからだ、と思はれた。
気力も精魂も尽き果ててもう心棒がないくらゐグニャ/\した様子である。
そのくせ部屋いつぱい、はりさけるやうに満ちてゐるのが、殺気なのだ。
だらしなく向ひ合つてゐる膝をくづした両棋士、必死のものを電流の如く放射する、それは二人の人間のからだからでも精神気魂からでもなく、私にはそれがもうたゞ宿命、のがれがたい宿命、それが凝つて籠つてゐるからだ、と思はれた。