独身の若者には華族であろうと大金満家の御曹子であろうと挨拶されてもソッポを向くこと、話しかけられてもフンとも返事をしないこと、その一日の出来事を報告して母の指示を仰ぐこと、細々と訓示を受けたが、実は御年配の大金満家か大華族に見染められればいいという魂胆で、女学生だけ二人づれでゴルフに行くなんて破天荒の異常事だということなどは気がつかないのだ。
ガッチリ屋のくせに無智そのものの世間知らずであった。
あいにくなことに御年配の華族や大金満家には御近づきの光栄を得ず、三木昇という映画俳優と友達になった。