中には色々変な術を弄して夢中にさせる男もいるけれども、あとで思いだすと不愉快で、ほんとに弄ばれたとか辱しめられたという気持になるから、あんな時にあんな風に女を弄ぶ男は嫌いだ。
あんなことは平凡で、常識的で、適度でなければならないものだ。
私は終戦後三木昇に路上であってお茶をのんだが、そのとき思いついたように私を口説いて、技巧がうまくてそのうえ精力絶倫で二日二晩窓もあけず枕もとのトーストやリンゴを噛りながら遊びつづけることもできるのだから、どんな浮気な女でも夢中になったり、感謝したりするなどといった。