押しかたまって揉み狂い、矢の早さで横に走る火、私は吸いとられてポカンとした。
何を考えることもできなかった。
それから首を廻したらどっちを向いても真ッ赤な幕だもの、どっちへ逃げたら助かるのだか、私はしかしあのとき、もしこの火の海から無事息災に脱出できれば、新鮮な世界がひらかれ、あるいはそれに近づくことができるような野獣のような期待に亢奮した。
押しかたまって揉み狂い、矢の早さで横に走る火、私は吸いとられてポカンとした。
何を考えることもできなかった。
それから首を廻したらどっちを向いても真ッ赤な幕だもの、どっちへ逃げたら助かるのだか、私はしかしあのとき、もしこの火の海から無事息災に脱出できれば、新鮮な世界がひらかれ、あるいはそれに近づくことができるような野獣のような期待に亢奮した。