すると人々は私が色っぽいとか助平たらしいとかいうのである。
私は元来無口のたちで、喋らなくてもすむことなら大概喋らず、タバコが欲しい時にはニュウと手を突きだす。
タバコちょうだい、とってちょうだい、そんなことをいわなくともタバコの方へ手をのばせば分るのだから、黙って手をニュウとだす、するとその掌の上へ男の人がタバコをのせてくれるものだときめているわけでもなくて、のせてくれなければタバコのある方へ腰をのばしてますますニュウと手を突きのばして、あげくに、ひっくりかえってしまうこともあるけれども、私は孤独になれていて、人にたよらぬたちでもあり、怠け者だから一人ぽっちの時でも歩いて取りに行かず、腰をのばし手をのばして、あげくに掴んだとたん、ひっくりかえるというやり方であった。