だから私たちの旅行はトンチンカンで、目的地へつかないうちに、この汽車はここまでだから降りてくれという、つまり汽車がなくなったのだ、仕方なしに思いがけないところで降されて、しかし、そのために叱られるということのない私はそのトンチンカンが新鮮で、パノラマを見ているような楽しい思いがけない旅行になる。
ほんとうに醜い人間などいるはずのないもので、美というものは常に停止して在るのじゃなくて、どんなものでも、ある瞬間に美しかったり、醜かったりするものだ。
私にとって、寝室の久須美は常に可愛く、美しかった。