それは私の精神力というものではなく、盲目的な媚態がその激痛をすら薄めているという性質のものであった。
七転八倒というけれども、私は至極の苦痛のためにある一つの不自然にゆがめられた姿勢から、いかなる身動きもできなくなり、生れて始めて呻く声をもらした。
久須美は目をさまし、はじめは信じられない様子であったが、慌てて医師を迎えたときは手おくれで、なぜなら私はその苦痛にもかかわらず彼が自然に目をさますまで彼を起さなかったから、すでに盲腸はうみただれて、腹の中は膿だらけであり、その手術には三時間、私は腹部のあらゆる臓器をいじり廻されねばならなかった。