戦争中は同じ会社の事務員だったのだが、戦災で一挙に肉親を失った。
久須美の秘書の田代さんというのが、久須美から資本をかりて内職にさるマーケットへ一杯のみ屋をひらくについて、ノブ子さんが根が飲食店の娘で客商売にはあつらえ向きにできてるものだから、表向きはノブ子さんをマダムというように頼んだわけだが、まだ二十、マダムになったときが十九というのだから嘘みたいだけど、実際チャッカリ、堂々と一人前以上に営業しているのである。
思いがけない長逗留で、お金が足りなくなったので、ノブ子さんにたのんで秘密にお金をとどけて貰う手筈をしたが、ノブ子さんは田代さんと同道、温泉までお金をとどけに来てくれた。