僕は何より女が欲しかつたのですが、自分の意志で人生をどうすることもできない戦争の人形にすぎないのだから、一番欲しいものを抑へつけて、せめて自尊心を満足させてゐたゞけですよ」
まつたく京二郎は戦争中は女を遠ざけながら、実は女のからだに最もこだはり、それを求めつゞけてゐたことを、思ひだすのであつた。
信子のからだを知る時間まで、さうだつたかも知れなかつた。
僕は何より女が欲しかつたのですが、自分の意志で人生をどうすることもできない戦争の人形にすぎないのだから、一番欲しいものを抑へつけて、せめて自尊心を満足させてゐたゞけですよ」
まつたく京二郎は戦争中は女を遠ざけながら、実は女のからだに最もこだはり、それを求めつゞけてゐたことを、思ひだすのであつた。
信子のからだを知る時間まで、さうだつたかも知れなかつた。