そのときも私が思つたのは、革命だの、国家永遠の繁栄のため、百年千年の計のため我々がギセイになる、さういふチョットきくと人ぎきのいゝ甘ッチョロイ考へ方がナンセンス、又罪悪であり、人間はギセイになつてはならぬ。
自分一人好きこのんでギセイになるなら話は別だが、個人としての自我とは別に、社会人としての我々は誰のギセイになる必要もない。
人間は各人が各人の時代にだけしか生きられないものだから、その時代に於て最善の人生をつくつたり享楽したり耐へ忍んだりするべきもの、後世のためにまで自分がはからふオセッカイはいらないことだ。