綜合雑誌などいふものはこの不健全な学問的情熱から現れた妖怪変化の一匹で、枕の草子や源氏物語の一端を原書で読まされて言葉の解釈だけで悪戦苦闘して後援つゞかず全然枕の草子も源氏物語も文学として鑑賞しなかつたくせに、その無駄に就て疑ることも知らず、学問はさういふものだと思ひこんでゐる知識人が、そのマニヤックな好学精神によつて知識教養とは読んでも分らぬところに尊厳がある、高遠なるものだ、有りがたいものだ、そんな程度の心がけで、拝読したり陳列したり、そして疑ることがない。
綜合雑誌は日本好学精神の生きた見本で、衒学空虚、まことに悲しい存在である。
菊池寛は偉いところがあつた。