たゞこの古戦場を見るために帰りの旅に陸路を選んだ甚兵衛は感無量であつた。
小西行長の祐筆の家に生れた彼は幼少のため関ヶ原の合戦に参加せず、故郷の宇土で主家の没落を迎へた。
出発前に軍記をあさつて関ヶ原の地形だけは心に控えた甚兵衛だつたが、似た山ばかりで、どれが主家の陣地を構へた天満山やら、それすらもしかと分らない。
たゞこの古戦場を見るために帰りの旅に陸路を選んだ甚兵衛は感無量であつた。
小西行長の祐筆の家に生れた彼は幼少のため関ヶ原の合戦に参加せず、故郷の宇土で主家の没落を迎へた。
出発前に軍記をあさつて関ヶ原の地形だけは心に控えた甚兵衛だつたが、似た山ばかりで、どれが主家の陣地を構へた天満山やら、それすらもしかと分らない。