自分は日記に書き込んだ。
――「三人のうち二人死んで自分丈け殘つたから、死んだ人に對して殘つてゐるのが氣の毒の樣な氣がする。
あの病人は嘔氣があつて、向ふの端から此方の果迄響くやうな聲を出して始終げえ/\吐いてゐたが、此二三日夫がぴたりと聞こえなくなつたので、大分落ち付いてまあ結構だと思つたら、實は疲勞の極聲を出す元氣を失つたのだと知れた。
自分は日記に書き込んだ。
――「三人のうち二人死んで自分丈け殘つたから、死んだ人に對して殘つてゐるのが氣の毒の樣な氣がする。
あの病人は嘔氣があつて、向ふの端から此方の果迄響くやうな聲を出して始終げえ/\吐いてゐたが、此二三日夫がぴたりと聞こえなくなつたので、大分落ち付いてまあ結構だと思つたら、實は疲勞の極聲を出す元氣を失つたのだと知れた。