その頃最も読んだのは谷崎潤一郎で、読む度ごとに自分の才能に就て絶望を新にするばかりであり、正宗白鳥、佐藤春夫、芥川龍之介など、いづれも愛読といふよりは自ら絶望を深めるための読書であつた。
当時隆盛な左翼文学に就ては、芸術的に極めて低俗なものであつたから全く魅力を覚えなかつた。
もしあの当時左翼芸術に高度の芸術性があつたなら、私の今日もよほど違つたものになつてゐたと思ふ。
その頃最も読んだのは谷崎潤一郎で、読む度ごとに自分の才能に就て絶望を新にするばかりであり、正宗白鳥、佐藤春夫、芥川龍之介など、いづれも愛読といふよりは自ら絶望を深めるための読書であつた。
当時隆盛な左翼文学に就ては、芸術的に極めて低俗なものであつたから全く魅力を覚えなかつた。
もしあの当時左翼芸術に高度の芸術性があつたなら、私の今日もよほど違つたものになつてゐたと思ふ。