「久しぶりに一戦やらうぢやないか」
日当りの良い二階の廊下へ碁盤を持ちだして二人は向ひ合つたが、太平の心は碁盤をみると片意地に沈んで、再び重い鬱積がひろがつてゐた。
庄吉は二目まで打込まれてゐたことを忘れず黒石を二つ並べたが、太平はしばらくその石を見つめてゐたのち、とりあげて庄吉の碁笥の中へ投げ入れた。
「久しぶりに一戦やらうぢやないか」
日当りの良い二階の廊下へ碁盤を持ちだして二人は向ひ合つたが、太平の心は碁盤をみると片意地に沈んで、再び重い鬱積がひろがつてゐた。
庄吉は二目まで打込まれてゐたことを忘れず黒石を二つ並べたが、太平はしばらくその石を見つめてゐたのち、とりあげて庄吉の碁笥の中へ投げ入れた。