その肉体が一人の女の健康な愛慾をみたし得てゐることの不思議さに就て考へる。
あはれとはこのやうなものであらうと谷村は思つた。
たとへば、自ら徐々に燃えつゝある蝋燭はやがてその火の消ゆるとき自ら絶ゆるのであるが、谷村の生命の火も徐々に燃え、素子の貪りなつかしむ愛撫のうちに、やがて自ら絶ゆるときが訪れる。
その肉体が一人の女の健康な愛慾をみたし得てゐることの不思議さに就て考へる。
あはれとはこのやうなものであらうと谷村は思つた。
たとへば、自ら徐々に燃えつゝある蝋燭はやがてその火の消ゆるとき自ら絶ゆるのであるが、谷村の生命の火も徐々に燃え、素子の貪りなつかしむ愛撫のうちに、やがて自ら絶ゆるときが訪れる。