谷村は親ゆづりの小金のおかげで勤めにもでず暮してゐたが、身体さへ人並なら働きにでゝ余分の金が欲しいと思ふほどであり、きりつめた趣味生活の入費を差引くと、余分の贅沢はできなかつた。
谷村が人の頼みに応じ得る金額は微々たるもので、岡本がそれを知らない筈はなかつた。
桁の違ひが突飛だから、拒絶の口実に苦しむ怖れもなく、谷村の気持には余裕があつた。
谷村は親ゆづりの小金のおかげで勤めにもでず暮してゐたが、身体さへ人並なら働きにでゝ余分の金が欲しいと思ふほどであり、きりつめた趣味生活の入費を差引くと、余分の贅沢はできなかつた。
谷村が人の頼みに応じ得る金額は微々たるもので、岡本がそれを知らない筈はなかつた。
桁の違ひが突飛だから、拒絶の口実に苦しむ怖れもなく、谷村の気持には余裕があつた。