元々頑丈にできた身体だから単に馳け歩くという労力だけなら大して苦にもなるまいとは自分でも承知しているが、思う事が引っ懸ったなり居据って動かなかったり、または引っ懸ろうとして手を出す途端にすぽりと外れたりする反間が度重なるに連れて、身体よりも頭の方がだんだん云う事を聞かなくなって来た。
で、今夜は少し癪も手伝って、飲みたくもない麦酒をわざとポンポン抜いて、できるだけ快豁な気分を自分と誘って見た。
けれどもいつまで経っても、ことさらに借着をして陽気がろうとする自覚が退かないので、しまいに下女を呼んで、そこいらを片づけさした。