森本がちょっと通りまで行って巻紙を買うからというので、敬太郎もつき合う気になって、横丁を東へ切れると、道が急に悪くなった。
昨夕の雨が土を潤かし抜いたところへ、今朝からの馬や車や人通りで、踏み返したり蹴上げたりした泥の痕を、二人は厭うような軽蔑するような様子で歩いた。
日は高く上っているが、地面から吸い上げられる水蒸気はいまだに微かな波動を地平線の上に描いているらしい感じがした。
森本がちょっと通りまで行って巻紙を買うからというので、敬太郎もつき合う気になって、横丁を東へ切れると、道が急に悪くなった。
昨夕の雨が土を潤かし抜いたところへ、今朝からの馬や車や人通りで、踏み返したり蹴上げたりした泥の痕を、二人は厭うような軽蔑するような様子で歩いた。
日は高く上っているが、地面から吸い上げられる水蒸気はいまだに微かな波動を地平線の上に描いているらしい感じがした。