「あなたの室から見た景色はいつ見ても好いね」と自分で窓の障子を開けながら、手摺付の縁板の上へ濡手拭を置いた。
敬太郎はこの瘠せながら大した病気にも罹らないで、毎日新橋の停車場へ行く男について、平生から一種の好奇心を有っていた。
彼はもう三十以上である。
「あなたの室から見た景色はいつ見ても好いね」と自分で窓の障子を開けながら、手摺付の縁板の上へ濡手拭を置いた。
敬太郎はこの瘠せながら大した病気にも罹らないで、毎日新橋の停車場へ行く男について、平生から一種の好奇心を有っていた。
彼はもう三十以上である。