それから借りた地面を切り開くのが容易の事でない。
次に地ならし植えつけに費やすべき金高が以外に多い。
その上絶えず人夫を使って草取をした上で、六年間苗木の生長するのを馬鹿見たようにじっと指を銜えて見ていなければならない段になって、敬太郎はすでに充分退却に価すると思い出したところへ、彼にいろいろの事情を教えてくれた護謨通は、今しばらくすると、あの辺でできる護謨の供給が、世界の需用以上に超過して、栽培者は非常の恐慌を起すに違ないと威嚇したので、彼はその後護謨の護の字も口にしなくなってしまったのである。