それで糊口のための奔走はもちろんの事、往来に落ちたばら銭を探して歩くような長閑な気分で、電車に乗って、漫然と人事上の探検を試みる勇気もなくなって、昨夕はさほど好きでもない麦酒を大いに飲んで寝たのである。
こんな時に、非凡の経験に富んだ平凡人とでも評しなければ評しようのない森本の顔を見るのは、敬太郎にとってすでに一種の興奮であった。
巻紙を買う御供までして彼を自分の室へ連れ込んだのはこれがためである。
それで糊口のための奔走はもちろんの事、往来に落ちたばら銭を探して歩くような長閑な気分で、電車に乗って、漫然と人事上の探検を試みる勇気もなくなって、昨夕はさほど好きでもない麦酒を大いに飲んで寝たのである。
こんな時に、非凡の経験に富んだ平凡人とでも評しなければ評しようのない森本の顔を見るのは、敬太郎にとってすでに一種の興奮であった。
巻紙を買う御供までして彼を自分の室へ連れ込んだのはこれがためである。