日本の戦争は武士道の戦争だなどと考へると大きな間違ひで、日本の戦史は権謀術数の戦史である。
同盟だの神明に誓つた血判などと紙の上の約束が三文の値打もなく踏みにじられ、昨日の味方は今日の敵、さうかと思ふと昨日の敵は今日の味方で、共通する利害をめぐつてただ無限の如く離合する。
一身の利害のためには主を売り友を売り妻子を売り、掠奪暴行、盗賊野武士から身を起して天下を望むのが自然であるから時代の道徳も良識もその線に沿うてゐるのは自然である。
日本の戦争は武士道の戦争だなどと考へると大きな間違ひで、日本の戦史は権謀術数の戦史である。
同盟だの神明に誓つた血判などと紙の上の約束が三文の値打もなく踏みにじられ、昨日の味方は今日の敵、さうかと思ふと昨日の敵は今日の味方で、共通する利害をめぐつてただ無限の如く離合する。
一身の利害のためには主を売り友を売り妻子を売り、掠奪暴行、盗賊野武士から身を起して天下を望むのが自然であるから時代の道徳も良識もその線に沿うてゐるのは自然である。