時世時節なら何事も仕方がないといふ考へで、秀吉の幕下に参じて関白太閤などと拝賀することぐらゐ蠅が頭にとまつたほどにしか考へてゐない。
このままいつ死んでもそれでよし、さういふ肚の非常にハッキリした家康で、さういふ太々しい処世の骨があつたから、野心家のやうにあくせくしないが、底の知れないやうなところがある。
それで古狸などと思はれるが、根は律儀で、ただいつ死んでもいいといふ度胸の生みだした怪物的な影がにじんでゐるだけである。
時世時節なら何事も仕方がないといふ考へで、秀吉の幕下に参じて関白太閤などと拝賀することぐらゐ蠅が頭にとまつたほどにしか考へてゐない。
このままいつ死んでもそれでよし、さういふ肚の非常にハッキリした家康で、さういふ太々しい処世の骨があつたから、野心家のやうにあくせくしないが、底の知れないやうなところがある。
それで古狸などと思はれるが、根は律儀で、ただいつ死んでもいいといふ度胸の生みだした怪物的な影がにじんでゐるだけである。