それで古狸などと思はれるが、根は律儀で、ただいつ死んでもいいといふ度胸の生みだした怪物的な影がにじんでゐるだけである。
いつ死んでもいいといふ最後の度胸はすわつてゐたが、平常の家康はお人好しで、小心な男であつた。
彼は五十ぐらゐの年配になつても、まだ、たとへば近臣が何かの変事を告げ知らせると、忽ち顔色青ざめて暫く物が言へなくなるたちであつたといふ。
それで古狸などと思はれるが、根は律儀で、ただいつ死んでもいいといふ度胸の生みだした怪物的な影がにじんでゐるだけである。
いつ死んでもいいといふ最後の度胸はすわつてゐたが、平常の家康はお人好しで、小心な男であつた。
彼は五十ぐらゐの年配になつても、まだ、たとへば近臣が何かの変事を告げ知らせると、忽ち顔色青ざめて暫く物が言へなくなるたちであつたといふ。