実際はいくらかみれんもないではない女なのだが、女の方が却つて潔く身をひいたので、妻子のある男とみれんがましくかゝずりあつてゐるよりも、自由の天地らしいものが行く手にひらかれて見えたからであらう。
そのとき立直ればよかつたのだが、解散のどさくさに儲けた仕事が手蔓になつて、闇屋をやり、その景気が封鎖の直前ごろまでつゞいた。
立直るといつても、元々好かない女房だ。
実際はいくらかみれんもないではない女なのだが、女の方が却つて潔く身をひいたので、妻子のある男とみれんがましくかゝずりあつてゐるよりも、自由の天地らしいものが行く手にひらかれて見えたからであらう。
そのとき立直ればよかつたのだが、解散のどさくさに儲けた仕事が手蔓になつて、闇屋をやり、その景気が封鎖の直前ごろまでつゞいた。
立直るといつても、元々好かない女房だ。