男三人の兄弟の兄と弟が戦死して、まんなかが焼夷弾の直撃で死んだといふ、気の毒は気の毒だが、因業爺で、その二階の一室。
唐紙ひとつ隣の部屋にオコノミ焼の母と娘とヒロシの三人がゐるのである。
オコノミ焼の女主人は因業爺の姉の子に当るのだが、お前さんの母親はな、私の苦しい時に一文の助けもしなかつたものだ、と、今では邪魔にしてゐるが、焼けだされてきた当座は懐に金があるのを睨んで厭な顔もしなかつた。
男三人の兄弟の兄と弟が戦死して、まんなかが焼夷弾の直撃で死んだといふ、気の毒は気の毒だが、因業爺で、その二階の一室。
唐紙ひとつ隣の部屋にオコノミ焼の母と娘とヒロシの三人がゐるのである。
オコノミ焼の女主人は因業爺の姉の子に当るのだが、お前さんの母親はな、私の苦しい時に一文の助けもしなかつたものだ、と、今では邪魔にしてゐるが、焼けだされてきた当座は懐に金があるのを睨んで厭な顔もしなかつた。