母親にしてみれば、それも亦断腸の種であるかも知れない。
夏川がこの一室へころがりこんだのは、まだ封鎖前の彼の好景気の頂上だつた。
そのころ彼はあぶく銭を湯水のやうに使つて、夜も昼ものんだくれ、天地は幻の又幻、夢にみた蝶々が自分の本当の姿やら、何が何だか分らないといふていたらくで、朝から寝床でウヰスキーのラッパ飲みといふ景気で、身辺はオモチャ箱をひつくり返したやうなドンチャン騒ぎの連続であつた。
母親にしてみれば、それも亦断腸の種であるかも知れない。
夏川がこの一室へころがりこんだのは、まだ封鎖前の彼の好景気の頂上だつた。
そのころ彼はあぶく銭を湯水のやうに使つて、夜も昼ものんだくれ、天地は幻の又幻、夢にみた蝶々が自分の本当の姿やら、何が何だか分らないといふていたらくで、朝から寝床でウヰスキーのラッパ飲みといふ景気で、身辺はオモチャ箱をひつくり返したやうなドンチャン騒ぎの連続であつた。