元々彼の一味は会社の仲間でいづれも中年ちかい年配、敗戦と会社の解散、妻子も故郷に帰してゐるといふ年配と境遇からも謀反を起してみたい条件がそろつてゐる、自然の手蔓であぶく銭をかせいでみたが、血気な青年に比べると節度や多少の見通しが立つだけ却つてだめで、封鎖を境にもう潮時だと解散して、妻子のもとへ帰つたり、改めて腰弁生活を始めた男もあつた。
夏川だけが置きすてられたが、堕ちる肚をきめてしまへば生活に困るといふことはない。
それまでの顔があるので、米でも酒でも右から左へ動かしただけで相当の金にはなるので、こまめに足を動かせば、昔のやうにはいかないが、時々は酔ひつぶれるぐらゐのことはできた。