坂口安吾 『母の上京』 そのとき虫が困りきつた顔をそむけて、もう十年若ければねえ……ふと呟いたものである。 夏川が宿酔の頭に先づ歴々と思ひだしたのがその呟きで、もう十年若ければねえ……アヽ、もう遅い。 女はさうつけたして呟いたやうな気がする。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア