坂口安吾 『母の上京』 夏川は驚きも悔いもなかつたものだ。 たゞ、行きついてみて、そのあるがまゝのあさましさを納得させられただけのことだ。 ひからびて黒ずんだ枯木のやうな肉体と、そこに棲む、もはや夢といふもののない亡者のやうな執念だけを見たものだ。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア