老いては子に教はるとイロハガルタの文句の通り、子が自立すると母は子供の子のやうな動物になりたがる。
然し不肖の子供にとつて母がいつまでも母であるのが夏川には切ない。
世の常の道にそむいた生活をしてゐると、いつまでたつても心の母が死なないもので、それはもう実の母とは姿が違つてゐるのであるが、苦しみにつけ、悲しみにつけ、なべて思ひが自分に帰るその底に母の姿がゐるのである。
老いては子に教はるとイロハガルタの文句の通り、子が自立すると母は子供の子のやうな動物になりたがる。
然し不肖の子供にとつて母がいつまでも母であるのが夏川には切ない。
世の常の道にそむいた生活をしてゐると、いつまでたつても心の母が死なないもので、それはもう実の母とは姿が違つてゐるのであるが、苦しみにつけ、悲しみにつけ、なべて思ひが自分に帰るその底に母の姿がゐるのである。