そうして依然としてできるようなまたできないような地位を、元ほど焦燥らない程度ながらも、まず自分のやるべき第一の義務として、根気に狩り歩るいていた。
或る晩もその用で内幸町まで行って留守を食ったのでやむを得ずまた電車で引き返すと、偶然向う側に黄八丈の袢天で赤ん坊を負った婦人が乗り合せているのに気がついた。
その女は眉毛の細くて濃い、首筋の美くしくできた、どっちかと云えば粋な部類に属する型だったが、どうしても袢天負をするという柄ではなかった。
そうして依然としてできるようなまたできないような地位を、元ほど焦燥らない程度ながらも、まず自分のやるべき第一の義務として、根気に狩り歩るいていた。
或る晩もその用で内幸町まで行って留守を食ったのでやむを得ずまた電車で引き返すと、偶然向う側に黄八丈の袢天で赤ん坊を負った婦人が乗り合せているのに気がついた。
その女は眉毛の細くて濃い、首筋の美くしくできた、どっちかと云えば粋な部類に属する型だったが、どうしても袢天負をするという柄ではなかった。