少くとも敬太郎にはそう見えた。
もっとも父はよほど以前に死んだとかで、今では母とたった二人ぎり、淋しいような、また床しいような生活を送っている。
父は主計官としてだいぶ好い地位にまで昇った上、元来が貨殖の道に明らかな人であっただけ、今では母子共衣食の上に不安の憂を知らない好い身分である。
少くとも敬太郎にはそう見えた。
もっとも父はよほど以前に死んだとかで、今では母とたった二人ぎり、淋しいような、また床しいような生活を送っている。
父は主計官としてだいぶ好い地位にまで昇った上、元来が貨殖の道に明らかな人であっただけ、今では母子共衣食の上に不安の憂を知らない好い身分である。