ヘト/\に疲れて、私など目が廻り、どうにとなれ、もう厭だ、と動く力もなくなつたほどだ。
私の裏隣りには五〇キロ直撃で、いつぺんに一つの家が火の海になつたが、これを消したのは私の家に同居してゐたタカシ君といふ二十の少年工で、元来は左官職だが、江戸ッ子の職人だから徴用されても会社の規則には服しきれず不平満々、工員としては大いに不良の方だ。
ところがイザとなると、まつたくたのもしいもので、燃えあがる猛火のまつたゞ中へ飛びこんで行つた。
ヘト/\に疲れて、私など目が廻り、どうにとなれ、もう厭だ、と動く力もなくなつたほどだ。
私の裏隣りには五〇キロ直撃で、いつぺんに一つの家が火の海になつたが、これを消したのは私の家に同居してゐたタカシ君といふ二十の少年工で、元来は左官職だが、江戸ッ子の職人だから徴用されても会社の規則には服しきれず不平満々、工員としては大いに不良の方だ。
ところがイザとなると、まつたくたのもしいもので、燃えあがる猛火のまつたゞ中へ飛びこんで行つた。