夏目漱石 『琴のそら音』 坂を下り切ると細い谷道で、その谷道が尽きたと思うあたりからまた向き直って西へ西へと爪上りに新しい谷道がつづく。 この辺はいわゆる山の手の赤土で、少しでも雨が降ると下駄の歯を吸い落すほどに濘る。 暗さは暗し、靴は踵を深く土に据えつけて容易くは動かぬ。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア