だが私は、再び水底へもぐる勇気はなかつた。
私の最初にひきあげたのが親父の方であればまだ良かつたかも知れぬ。
なぜなら子供の死体の方はそれほどの凄味も想像されぬからで、親父の死体が今もなほ渦まく濛気の厚い流れの底にあり、今度はユラ/\した手でなしに、その顔がニューと私の目の前へ突きでてくる時のことを想像すると、とても再びもぐる勇気がなかつた。
だが私は、再び水底へもぐる勇気はなかつた。
私の最初にひきあげたのが親父の方であればまだ良かつたかも知れぬ。
なぜなら子供の死体の方はそれほどの凄味も想像されぬからで、親父の死体が今もなほ渦まく濛気の厚い流れの底にあり、今度はユラ/\した手でなしに、その顔がニューと私の目の前へ突きでてくる時のことを想像すると、とても再びもぐる勇気がなかつた。