冗談ではない。
真昼の太陽の下でも、もぐるのが怖しくなつてしまつたのだ。
その日から私は小さな町の英雄になり、伊勢甚の子供が私のステッキのことを誇大に言ひふらして私がわが子供の如くに愛してゐたこと(それは本当だが)を吹聴するから、町の有志が心配して利根川の下流へステッキ捜索の立札をたてゝくれた始末であつた。
冗談ではない。
真昼の太陽の下でも、もぐるのが怖しくなつてしまつたのだ。
その日から私は小さな町の英雄になり、伊勢甚の子供が私のステッキのことを誇大に言ひふらして私がわが子供の如くに愛してゐたこと(それは本当だが)を吹聴するから、町の有志が心配して利根川の下流へステッキ捜索の立札をたてゝくれた始末であつた。