寒くなつたのでガランドウの所へあづけてきたドテラをとりに小田原へ行き、翌朝目をさまして戦争が始まつてゐた顛末はすでに述べた通りであるが、私の魂は曠野であり、風は吹き荒れ、日は常に落ちて闇は深く、このやうな私にとつて、戦争が何物であらうか。
戦争は私自体の姿であり、その外の何物でもなかつたのだ。
私は然し私自身死を覚悟した十二月八日を思ひだす。
寒くなつたのでガランドウの所へあづけてきたドテラをとりに小田原へ行き、翌朝目をさまして戦争が始まつてゐた顛末はすでに述べた通りであるが、私の魂は曠野であり、風は吹き荒れ、日は常に落ちて闇は深く、このやうな私にとつて、戦争が何物であらうか。
戦争は私自体の姿であり、その外の何物でもなかつたのだ。
私は然し私自身死を覚悟した十二月八日を思ひだす。