二宮駅の手前でバスを降りて、先づ禅寺へはいつて行つていやにサボテンだらけのお寺で、ガランドウは庫裡の戸をあけて、酒はないかね、大きな声でたづねてゐる。
目当の家に酒がなくとも決して落胆したりショゲたりはしない男で、いつも平気の平然で、一軒目がダメなら二軒目、二軒目がダメなら三軒目、さういふ真理をちやんと心得てゐるのであらう。
それから鉄道の工事場へ行き、こゝではお寺の墓地が線路になるので、何十人の人間が先祖代々の墓地を掘りかへしてをり、線香の煙がゆれてゐる。
二宮駅の手前でバスを降りて、先づ禅寺へはいつて行つていやにサボテンだらけのお寺で、ガランドウは庫裡の戸をあけて、酒はないかね、大きな声でたづねてゐる。
目当の家に酒がなくとも決して落胆したりショゲたりはしない男で、いつも平気の平然で、一軒目がダメなら二軒目、二軒目がダメなら三軒目、さういふ真理をちやんと心得てゐるのであらう。
それから鉄道の工事場へ行き、こゝではお寺の墓地が線路になるので、何十人の人間が先祖代々の墓地を掘りかへしてをり、線香の煙がゆれてゐる。