この二階は須永の書斎にするため、後から継ぎ足したので、風が強く吹く日には少し揺れる気味はあるが、ほかにこれと云って非の打ちようのない綺麗に明かな四畳六畳二間つづきの室であった。
その室に坐っていると、庭に植えた松の枝と、手斧目の付いた板塀の上の方と、それから忍び返しが見えた。
縁に出て手摺から見下した時、敬太郎は松の根に一面と咲いた鷺草を眺めて、あの白いものは何だと須永に聞いた事もあった。
この二階は須永の書斎にするため、後から継ぎ足したので、風が強く吹く日には少し揺れる気味はあるが、ほかにこれと云って非の打ちようのない綺麗に明かな四畳六畳二間つづきの室であった。
その室に坐っていると、庭に植えた松の枝と、手斧目の付いた板塀の上の方と、それから忍び返しが見えた。
縁に出て手摺から見下した時、敬太郎は松の根に一面と咲いた鷺草を眺めて、あの白いものは何だと須永に聞いた事もあった。