秀吉は石田三成を差向けて先づ存分に不信をなじらせたが、この三成が全身才智と胆力、冷水の如き観察力、批判力で腸にえぐりこむ言葉の鋭いこと、言訳、陳弁、三拝九拝、蒸気のカマの如き奥州弁で、豆の汗を流した。
才能の限度に就て根柢から自信がぐらつき、秀吉の威力の前に身心のすくみ消える思ひである。
その翌日が謁見の日で、登る石垣山一里の道、屠所にひかれる牛の心で、生きた心持もなく広間にへいつくばつてゐると、ガラリと襖があいて、秀吉が真夏のことゝは言ひながら素肌に陣羽織、前ぶれもなくチョロ/\現れてきた。
秀吉は石田三成を差向けて先づ存分に不信をなじらせたが、この三成が全身才智と胆力、冷水の如き観察力、批判力で腸にえぐりこむ言葉の鋭いこと、言訳、陳弁、三拝九拝、蒸気のカマの如き奥州弁で、豆の汗を流した。
才能の限度に就て根柢から自信がぐらつき、秀吉の威力の前に身心のすくみ消える思ひである。
その翌日が謁見の日で、登る石垣山一里の道、屠所にひかれる牛の心で、生きた心持もなく広間にへいつくばつてゐると、ガラリと襖があいて、秀吉が真夏のことゝは言ひながら素肌に陣羽織、前ぶれもなくチョロ/\現れてきた。