家康は如水の口上をきゝ終つて頷き、なるほど、御説の通り私の娘は氏直の女房で、私と北条は数年前まで同盟国、昵懇を重ねた間柄です。
ところが、昵懇とか縁辺は平時のもので、いつたん敵味方に分れてしまふと、之が又、甚だ具合のよからぬものです。
色々と含む気持が育つて、ない角もたち、和議の使者として之ぐらゐ不利な条件はないのですね、と言つて拒絶した。
家康は如水の口上をきゝ終つて頷き、なるほど、御説の通り私の娘は氏直の女房で、私と北条は数年前まで同盟国、昵懇を重ねた間柄です。
ところが、昵懇とか縁辺は平時のもので、いつたん敵味方に分れてしまふと、之が又、甚だ具合のよからぬものです。
色々と含む気持が育つて、ない角もたち、和議の使者として之ぐらゐ不利な条件はないのですね、と言つて拒絶した。