当時日本国内は一応平定したけれども、之は表面だけのこと、謀反、反乱の流言は諸国に溢れてゐる。
朝鮮遠征に心から賛成の大名などは一人もをらず、各人所領内に匪賊の横行、経済難、困じ果てゝゐる。
町人百姓に至つては、大明遠征の気宇の壮、さういふものへの同感は極めて僅少で、一身一家の安穏を望む心が主であるから、不平は自ら太閤の天下久しからず、謀反が起つてくつがへる、お寺の鐘が鳴らなくなつたから謀反の起る前兆だなどゝ取沙汰してゐる。
当時日本国内は一応平定したけれども、之は表面だけのこと、謀反、反乱の流言は諸国に溢れてゐる。
朝鮮遠征に心から賛成の大名などは一人もをらず、各人所領内に匪賊の横行、経済難、困じ果てゝゐる。
町人百姓に至つては、大明遠征の気宇の壮、さういふものへの同感は極めて僅少で、一身一家の安穏を望む心が主であるから、不平は自ら太閤の天下久しからず、謀反が起つてくつがへる、お寺の鐘が鳴らなくなつたから謀反の起る前兆だなどゝ取沙汰してゐる。