明を征服したればとて、日本の諸侯をこゝに移して永住統治せしめることは不可能で、遠征の結果が単に国内の疲弊にとゞまり実質的にはさらに利得の薄いことを三成は憂へたから、淀君の力によつて思ひとゞまらせたいと計つた。
とはいへ、三成は周到な男であるから、一方遠征に対して万全の用意を怠らず、密偵を朝鮮に派して地形道路軍備人情風俗に就て調査をすゝめる、輸送の軍船、糧食の補給、之に要する人夫と船の正確な数字をもとめて徴発の方途を講じてもゐた。
如水は三成の苦心の存するところを知らぬ。
明を征服したればとて、日本の諸侯をこゝに移して永住統治せしめることは不可能で、遠征の結果が単に国内の疲弊にとゞまり実質的にはさらに利得の薄いことを三成は憂へたから、淀君の力によつて思ひとゞまらせたいと計つた。
とはいへ、三成は周到な男であるから、一方遠征に対して万全の用意を怠らず、密偵を朝鮮に派して地形道路軍備人情風俗に就て調査をすゝめる、輸送の軍船、糧食の補給、之に要する人夫と船の正確な数字をもとめて徴発の方途を講じてもゐた。
如水は三成の苦心の存するところを知らぬ。