小田原遂に落城、秀吉は機嫌よく帰洛する、途中駿府まで来たとき、小西行長が駈けつけてきて拝謁し、改めて朝鮮使節の来朝に就て報告する。
秀吉は満足して、アッハッハ、あつさり帰順朝貢しをつたか、さもあらう、それに相違あるまいな、と念を押したが、頭からきめてかゝつて疑ふ様子がないのだから、行長は圧倒されて、否定どころか、多少の修正をほどこすだけの勇気もない。
そこで秀吉がたゝみかけて、然らば唐入の道案内も致すであらうな、と問ひたゞすと、それはもう、殿下の御命令に背く筈はございませぬ、かうハッキリと答へてしまつた。